炭水化物がどのように体で消費され作用し、どのような影響を及ぼすのか。そして、それを踏まえてどようのにコントロールすると良いのか考えていきたいと思います。

目次

1章・ブドウ糖の生成からエネルギー利用まで
➀炭水化物の分類②特徴的な糖質をもつ食材および甘味料③ブドウ糖の消化④ブドウ糖エネルギーの活用 ⑤糖新生

2章・血糖値
高血糖による変化②血糖値の上下動による変化 ③血糖値の異常の病気④血糖値が下がった時の反応⑤GI:Glycemic Index⑥血糖値をコントロールするポイント

3章・エネルギー源と進化の歴史

1章・ブドウ糖の生成からエネルギー利用まで

➀炭水化物の分類

 炭水化物は、炭素と水素の化合物で、CとH2Oの化学式を含みます。

 繊維質も炭水化物に入りますが、消化されず、小腸でブドウ糖として吸収されにくいため、糖質を問題をする際の炭水化物としては含まないケースがあります。

 糖質の中には多糖類と糖アルコールなどがなどがあり、消化の過程で糖類に分解されるものが多いです。しかし、糖アルコールや低糖質甘味料の一部はブドウ糖として吸収されにくいため、糖類として吸収されにくい性質を持つものがあり、糖質が表示されていても、糖類がゼロである食品も存在します(法律上の表示の為、ややこしくなります)。

 植物が作る多糖類がでん粉で、動物が作る多糖類がグリコーゲンになります。

②特徴的な糖質をもつ食材および甘味料

 バナナは単糖であるブドウ糖と果糖、二種類のしょ糖、それに多糖類に属するスターチが微妙な割合でふくまれています。それぞれ体内でブドウ糖になるまでの時間がことなるため、血糖値のレベルが長時間にわたって維持されることになります。※9

 フルクトースコーンシロップ(果糖ブドウ糖液糖・高果糖液糖)はトウモロコシから取れる1970年代に入り米国で砂糖の代用として生産された甘味料です。砂糖より甘いですがAGE化するスピードが10倍も速くグルコースよりも依存性が高いようです。※10

 低糖質甘味料は構造的には糖質なのですが体の中でエネルギーとして利用できないもので、消費者庁による現行の制度では「糖質」あるいは「炭水化物」として表現しなくてはならないため、この甘味料が入っていると「糖質」があるものの「糖類ゼロ」ということがあります。※5

 ロッテの「砂糖ゼロ・糖類ゼロ ZERO」シリーズは糖アルコールや甘味料を使用し実現しています。

 「パルスイート」という砂糖代用の甘味料はアミノ酸から生まれた低カロリー甘味料のアスパルテームを使用してます。

③ブドウ糖の消化

 糖質は、口腔内のアミラーゼという酵素で二糖類(麦芽糖)などに分解され、さらに腸においてマルターゼという酵素でブドウ糖に分解され、小腸絨毛でブドウ糖の毛細血液への吸収が行われます。

 そして、だいたい四時間くらいの間、血液に供給されます。

 その際、門脈血管を経て肝臓に行き、心臓に送られ肺より入る酸素と共に全身に送られます。その後、ミトコンドリアにより酸とブドウ糖を使ってエネルギーを生成します。

糖質が一定値(100mg/dl)より多い場合はインスリンというホルモンが働き、肝臓や筋肉おいてグリコーゲンという物質として貯蓄されます。グリコーゲンとして貯蓄できる量より増えると、脂肪として体内に貯蓄されます(インスリンの働きで脂肪細胞の取り込み口が開き、細胞にエネルギーが入っていくようです)。

 グリコーゲンはブドウ糖がグリコシド結合で重合した高分子であり、これを分解するとブドウ糖が得られるようです。人間では肝臓と筋肉に貯蔵されています。※3

 基本的に、ブドウ糖はエネルギーとして使用されるが、貯蓄されるかで、糖尿病などを除いてはそのまま排出されることは少ないようです。そのため、量をコントロールしないと脂肪として溜まっていきます。

④ブドウ糖エネルギーの活用

 ブドウ糖は主に内呼吸(ミトコンドリア)によってエネルギー源となり、燃焼して二酸化炭素と水となって外呼吸で呼気によって出されます。※11

 ブドウ糖を主に使っているのは、脳、目の網膜、赤血球などであり、手足の筋肉は安静時や軽度の運動時には「脂肪酸」をエネルギー源とし激しい運動の時に限ってブドウ糖を取り込んでいます。※3

 ブドウ糖は、摂取によって取り入れることもできますが、体内で作り出すこともできます。そして、一定の血糖値で保つように調整されます。

 口腔からの摂取以外では、肝臓や筋肉に貯めたグリコーゲンをブドウ糖として切り崩したり、脂肪をブドウ糖として切り崩したり、たんぱく質をブドウ糖として切り崩したりすることもできます。

 口腔からの摂取したブドウ糖をまず使い、その後グリコーゲンを切り崩して、その後他のものを切り崩してブドウ糖を作り出します。

⑤糖新生

➀現象と視点

 グリコーゲン以外のブドウ糖を作り出す機能を「糖新生」と呼ぶようで、脂肪酸(アミノ酸)からブドウ糖として作りだしたり、たんぱく質からブドウ糖を作り出したり※2、ケトン体(脂肪の分解により肝臓でつくられる※3)という物質を脂肪酸から作り出しブドウ糖の代わりとして活用したりするようです。

 当初、飢餓状態の時のグルカゴンというホルモン分泌が引き金になって、糖以外の物質からブドウ糖が作られる現象として発見されました。※3そして、糖尿病などでブドウ糖の摂取を控えて、回復を目指すときに使われたようです。

 この「糖新生」は現在では、脂肪を分解する機能として注目したり、むしろ人類が炭水化物を取り入れた歴史は浅く一般的なブドウ糖を作り出す機能だったとも言われることもあります。

 ただし、この「糖新生」に関してはまだ結論は出ておらず、糖質を口腔から摂取しないとたんぱく質などを切り崩し筋肉を減らしてしまうことなどもあり、慎重に考える必要があるようです。

 伝統的な栄養学においては、過剰にならない程度に糖質を摂取すべきだとしています。

 但し、人間が皮下脂肪組織が他の生物より発達している理由として考えると、脂肪酸によるブドウ糖の補充は普通のシステムとも考えることができます。

 脳でのブドウ糖の連続大量消費が行われ、常に摂取できるわけではないので、消費分を補うために糖新生を持続するフル回転が行われ、そのためには連続的エネルギー生産が必要なためエネルギー源である脂肪酸の貯蔵が必要という方向に進化したとも考えられます。

②メカニズム

 脳と赤血球以外は長期間ブドウ糖が摂れていなくても、体脂肪から切り出してきた脂肪酸をエネルギーに使えるようで、更に少なくなると脳はブドウ糖を赤血球に譲り、その代わりケトン体を使うようです。

③ケトン体

 ケトン体は脂肪の分解により肝臓でつくられるものです。※3

インスリンはケトン体の合成を抑制するので、血液中のインスリン濃度が十分な通常時、ケトン体の血中濃度は低く保たれています。飢餓状態が長期にわたって続いたときに初めてケトン体が出現します。

インスリンの血中濃度が低くなると、肝臓が脂肪酸を使ってケトン体を作り出すようになります。そしてケトン体はブドウ糖と同様、血液脳関門を越えることができます。

ただし、ケトン体が増えすぎることで、血管内皮細胞の機能が落ちてくるというデータがいくつもあるよう※5で、積極的に活用すべきかはなんともいえません。

2章・血糖値

 人間は正常血糖値100mg/dl群(70~110mg/dl)の生物であり、それ以上の血糖値が続くと、神経血管が損傷されるようです。※3またそれ以下でも精神的に不安定になったりする支障がでてきます。

 血糖値低下に対しては、血糖値の低下を鋭敏に完治するセンサーと、ブドウ糖を補充して血糖値を保つシステムあります。※3

 感知するセンサーとしては、グルカゴン(糖新生におけるホルモンでも)、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンなどのホルモンであり、これらのホルモンが分泌されると、血糖値を上昇させるべくさまざまな反応が起こります。※3

 一方、血糖値を低下させるホルモンはインスリン一つしかありません。

 これは長い人類の歴史としては、糖が不足する時代の歴史の方が圧倒的に長く、糖が過剰になった歴史は穀物が登場して以来の短い期間での話ということと合致するようです。

➀高血糖による変化

 高血糖の状態になると、体の色々なたんぱくに糖がくっついてしまうという現象が起こり、体内のたんぱくが糖化を起こすと機能が低下し、変化してしまうといわれていて、この糖化反応は老化の一つと考えられています。※5

 糖化は高齢になって炭水化物を取りすぎると起こりやすいと言われています。※10

ⅰ.AGE

 またAGE(終末糖化産物)の発生に繋がります。

 糖とたんぱく質がシップ塩基に変化し、ママドリ化合物に変化します。ここまでは条件によって可逆なのですが、そこからAGEになると不可逆になりなってしまいます。AGEはお肉を焼くとたんぱく質と糖質が反応しメイラード反応が起こりますが、その際に生まれるのがAGEと言われています(そのためメイラードが第一発見者とも)。

 砂糖をまぶしたようにベトベトになった状態の物質です。

 もともとはたんぱく質ですがたんぱく質としての働きを失い、体の外になかなか排出されず、体内に長期間とどまって血管や組織にべったりと沈着し、さまざまな病気を引き起こすようです。

 血糖値の指標値にヘモグロビンA1cというのがあります。これは血液中のタンパク質であるヘモグロビンに糖がくっついてできる物質で、ヘモグロビンがAGE化する前段階の物質になるようです。

 AGEはたんぱく質を攻撃し、その機能を低下させるようです。

AGEのコラーゲンへの影響

 AGEの害を受けやすいたんぱく質の一つがコラーゲンです。コラーゲンは体内の全タンパク質のおよそ30%を占め、私たちの体型を保っているものです。そのためAGEにより、必要な弾力と張力が得られなくなります。

 また血管もコラーゲン線維からなります。したがって、AGEは血管も老化させます。

 血管コラーゲンがAGE化すると、弾力性を失うだけでなく、平滑筋細胞を刺激して数を増やします。平滑筋細胞が以上に増えると血管が厚くなり、動脈硬化を引き起こします。血管への影響は網膜へも影響します。

骨も乾燥重量の約半分はコラーゲン線維なので、AGEがつくと骨の強度は低下してしまいます。

水晶体もたんぱく質であるため、白内障への原因にもなるようです。

がんへの影響

 遺伝情報を伝えるDNAにAGEが蓄積すると、がんが発生するきっかけとなります。がん細胞の転移が起こりやすくなります。

AGEの外部摂取

AGEはたくさん含まれている物質を摂ることで体の外からも取り込まれ、それがすべて蓄積するようです。

焼いたり揚げたりするとAGEができやすくなり(特に短時間で高温加熱が)、理想的な調理法は「煮る」か「ゆでる」事で、高温で加熱しないことがポイントのようです。電子レンジは短時間で高温加熱するため実は最もAGEが発生しやすいようです。

フライドポテトは最凶なアクリルアミドを作るようです。※10

②血糖値の上下動による変化

 血糖の激しい上下動は、酸化ストレスを引き起こします。酸化ストレスとは、酸化反応によって起こる有害な作用のことで、DNAにダメージを与え、老化や細胞の癌化などと関わっています。※5

 高血糖自体も細胞の死を生みますが、高血糖値が激しく上下動を繰り返すほうが、細胞が死ぬ確率は上昇します。血糖の上下動が大きければ大きいほど、多くの脳細胞が死に認知機能が低下するようで、アルツハイマー病とも関係が示唆されています。

 そのため上下動を引き起こす食後の血糖値が重要になります。※5

 また血液中に余った糖が体内の組織や細胞にたまり、「糖化」という反応が進みます(高血糖とどうようの症状が起こるという事でも)。※8

 また食後に眠くなる原因の一つでもあると言われています(消化のために血液が胃腸に集まることや、消化吸収を促すため副交感神経が優位になることなども原因としてはある)。

 血糖値が上がりすぎてインスリンの分泌が追いつかなくなると、ブドウ糖が脳まで行き渡らなくなり、頭がボーっとしたり、眠気がひどくなったりします。

 また血糖値の上昇は、オレキシンの分泌を抑えてしまいます。オレキシンは覚醒作用のある脳内物資なので、分泌が抑制されると、眠気が増大するようです。※7

 血糖値の上下動として「血糖値スパイク」という食後に血糖値が急激に上がりすぎると、糖をエネルギーに変えるインスリンが大量に分泌され、反動で血糖値が急降下。今度は低血糖状態になるという現象が一つのポイントとしてあるようです。※8

 他には、「怒り」や「ストレス」が血糖値を上げるホルモンの分泌を促進させ、血糖値の急激な上昇を促すとも言われています。※8

③血糖値の異常の病気

 血糖値の急激な上下動は膵臓不全と動脈硬化を促し、前者は糖尿病を引き起こし後者の原因ともなり、後者は細い血管から破壊し免疫力低下や腎臓障害へ繋がります。

高インスリン血症は、多くの糖質を食べていて、インスリン分泌の頻度が多いほど、すい臓に負担がかかって早く傷みやすくインスリンの分泌が正常でなくなる症状のようです。※5

 反応性低血糖はインスリンの過剰分泌によって起こるもので、血糖値を下げすぎてしまい、上げるためにカテコラミンというホルモンが分泌されているため、手が震えたり気持ちが悪くなったりします。※5

 糖尿病は、グリコーゲンを作る力が失われるか、又は糖を酸化する力が衰えた(好気性代謝が行えない)場合発生するようです。※11

 症状としてはインスリンホルモンの働きが悪くなり、血液中のブドウ糖の値=血糖値が以上に高くなってしまう病気です。

 通常空腹100mg/dl未満が126以上に、食後は140が200以上になてしまうようです。

 原因として何らかの原因での「Ⅰ型」、生活習慣による「Ⅱ型」、遺伝子異常による「Ⅲ型」に分類します。※5

④血糖値が下がった時の反応

 血糖値が少しでも低下すると、脱力感を感じたり冷汗がでたりし、さらに下がれば失神してしまうことになります。※9

⑤GI:Glycemic Index

 GI値とは、その食品を食べた時に血糖値がどのくらい上がるのか、という指標です。※4

 この値が低いものを食べることが、血糖値を急上昇させないことにもなります。

 そばはGI値が高く、すぐにエネルギーになるため忠臣蔵でもそばを食べたという話が『食べ物さんありがとう』(川島四郎)に載っています。

⑥血糖値をコントロールするポイント

 血糖値を上昇させるのは糖質のみになります。

糖質以外のものを多めに摂取する

 カロリーの摂取を増やすほど、たんぱく質、脂質、食物繊維など、糖質以外の栄養素はすべて、糖質摂取に伴う血糖値の上昇を抑制する方向に働くため、血糖値の情報を防ぐことができるようです(この方法は1990年代に確認されていましたが当時は詳しいメカニズムが分かっていませんでした)。

 血糖値は上がってしまってから抑えるよりも、最初から上がらないようにする方がより望ましいようで、食事をする順番も大切になってきます。

 大事なのは、糖質を最後にお腹の中に入れる、「カーボラスト」が望ましいようです。この方法はたんぱく質を食べるとGLP-1、脂質を食べるとGIPという消化管ホルモンの分泌量が増えます。GLP-1、GIPはともに、インスリンの分泌を促す働きを持っています。そのため血糖値が上がりにくくなるようです。

 またGLP-1もGIPも腸のせん動運動を抑制するので、糖の吸収速度がゆっくりになるという側面も指摘されています。

 また食物繊維は(炭水化物の一種だが)元来、消化吸収されにくいものなので、同時に食べることでやはり糖の吸収が抑えられる効果があります。更に食物繊維は単に糖の吸収を緩やかにするだけでなく、脳を介して肝臓の糖の放出にブレーキをかける働きがあり、これによって血糖値の上昇をさらに防いでくれるようです。そしてインスリンが筋肉と脂肪組織に働いて糖を取り込ませる働きをしているとき、脂肪組織の側だけフタをし、筋肉のほうを優先させてくれるという働きもします。※5

 また植物性油をたくさん摂取したほうが糖の吸収が低くなり、動物性脂を食べていた方が脳が保護されるという報告もあるようです。※5

 「PFCバランス」という「高たんぱく質・中脂質・低糖質」を意識する食べ方もあります。※6

 他にも油や酢酸も血糖値の上昇を防ぐと言われています。

 また精製されていない物は食物繊維が豊富なので、血糖値の上昇スピードが遅くなります。そして、粘りのある食材も糖の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を緩やかにすると言われています。※8

食べる回数

 「セカンドミール効果」とは、朝食を食べることによって、昼食時に血糖値の上昇を抑えることができる効果のようです。これは朝食だけでなく二回目の食事が血糖値の上昇を抑える作用のようで、一日一回だけしか食事をとらなかった場合、非常に血糖値の上昇があがるとも言われています。※6

 

食べる速度

 食べるスピードが早い事も血糖値の上昇につながると言われています。※7

怒りやストレスコントロールと十分な睡眠

 「怒り」や「ストレス」が血糖値を上げるホルモンの分泌を促進させ、血糖値の急激な上昇を促すとも言われています。※8

 睡眠不足になると血糖値の上昇を抑えるホルモン(インスリン)の働きが低下し、血糖値が上がりやすい状態になります。※8

血糖値と記憶力

 血糖値は高めの方が記憶力に関してはよいようです。アルツハイマー病のような人は血糖値が低めのようです。

 また朝食において糖分を摂取した人と、していない人では、記憶力は糖分を摂取した人の方が高いというデータもあるようです。※2

3章・エネルギー源と進化の歴史

➀生命の誕生から脂肪酸代謝まで

最初期の生命体にとっては、水素や硫化水素をエネルギー源にするかが最先端でした(嫌気性代謝)。その後、大気中と海水中の酸素濃度が上昇すると、酸素を使うシステムが生まれました(好気性代謝)。

ブドウ糖代謝も(解糖系(嫌気性)、TCAサイクル(好気性))同じで、この時代に誕生したのが分散神経系(のちの中枢神経の原型となる神経系)で、当時最先端のブドウ糖好気性代謝エンジンを搭載して誕生しました。

しかし時代が移り、脂肪酸代謝からエネルギーを得るという大出力・ハイパワーエンジンが開発されました。この新時代に完成したのが筋肉であり、筋肉は新旧両方のシステム対応したハイブリット型エンジンを搭載したようです。

一方、中枢神経系がこの新型エンジンを搭載するには、変えざるを得ないとしても現在あるものをやりくり算段して新しい期間を作ろうとしました。

 この新時代は動物で考えますと、カンブリア紀の動物はさまざまな運動様式を実験し、それに合わせて新型エンジンの仕組みも磨きあげ、その結果、脂肪酸でも動くハイブリット型の筋肉が完成し、肉食動物という新時代の旗手が誕生したと考えます。

 そして同時に、情報かく乱物質である脂肪酸を神経から切り離す必要も生じたはずです。生き馬の目を抜く肉食動物の時代では、情報の乱れは命取りになるからです。※3

②穀物の登場

 穀物栽培は、人類の人口増加を引き起こし、耕作地の新規開拓とともに人類の分布地域を拡大させ、その社会構造を複雑化させる原動力となり、今日の人類の繁栄を支える縁の下の力持ちとなりました。

 しかし、それは現代社会に、肥満と糖尿病、睡眠障害と抑うつ、アルツハイマー病、歯周病、アトピー性皮膚炎を含むさまざまな皮膚疾患などをもたらしたと考えられます。※3

参照

※1…『記憶力を強くする』池谷裕二・講談社・2001.1.20

※2…『「砂糖は太る」の誤解』高田明和・講談社・2001.5.20

※3…『炭水化物が人類を滅ぼす』夏井睦・光文社新書・2013.10.20

※4… https://www.otsuka.co.jp/college/nutrients/carbohydrate.html 2021.8.12閲覧・大塚製薬・栄養素カレッジ

※5…『糖質制限の真実』山田悟・幻冬舎新書・2015.11.10

※6… https://retio-bodydesign.jp/columns/article/toushitsuseigen-breakfast/ 2020.9.12 Retio Body designのブログ 2021.8.12閲覧

※7… https://tential.jp/journals/sleep/-/016 『食後はなぜ眠くなる?』2020.12.26 2021.8.12閲覧

※8… https://www.yomeishu.co.jp/health/3800/ 養命酒HP『食後の急な眠気の原因は血糖値スパイク?予防に効果的な食事法4選』2019.11.21 閲覧2021.8.12

※9…『人はなぜ太るのか 肥満を科学する』岡田正彦・岩波新書・2006.12.20

※10…『若返りの科学』藤田紘一郎・2013.12.25・SBクリエイティブ株式会社

※11…『栄養読本』鈴木梅太郎&井上兼雄・日本評論社・1936

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