それは、「色彩論」という著作で、現在色彩検定などの考え方の基礎となる「色相環」を提唱したことにあります。
ゲーテの「色彩論」の念頭にあったのは、ニュートンでした。
ニュートンは、1666年に光をプリズムという道具で分解すると、周波数によって屈折率が変わるため、虹のように様々な色に分解されると証明し、この考えに基づいて反射望遠鏡などさまざまな「光学」の理論を確立しました。
そして「色とは、光が屈折によって分解されたものである」としたのです。
しかし、ゲーテは絵画など多くの芸術品にも理解があり、色を単なる「光学」として捉えることに疑問を抱きました。
過去の色に対する考え方はなかなか統一性や科学性は薄かったものの、参考になる思想は多くありました。
そこで、ゲーテは過去の色に対する思想とニュートンの「光学」の業績を組み合わせて、「光学」によって分解される色のスペクトラムを中心的な体系とし、それぞれの色に意味付けなどを与えて、色の文化的貢献の側面を考察し、新しい考え方を提唱しました。
こうして、ゲーテは「光学」の一分野としてだけでなく、「色彩学」という心理的な側面をも考察の対象にする分野を作りました。
それが故に、ゲーテは「カラーセラピーの祖」とも言えます。
そして、そのような科学だけでなく、文学や芸術なども複合的に捉えようとしたゲーテの姿が垣間見れる所として、ドイツのワイマールにある「ゲーテ・ハウス」ではないかな、と思いました。
今回、ゲーテ・ハウスを、建築として分かりやすいように簡素なモデルにしてみました。そして、「書庫」や「裏庭」そして簡単な説明を加えて、ワイマールの「ゲーテ・ハウス」を表現したイラストを作ってみました。
公的に使用した応接間やダイニングルームには様々な芸術品やシューマンやメンデルスゾーンが弾いたピアノがあったり、明るく朗らか気持ちにするために壁の色が黄色くなっています。
そして、プライベートに使用した書斎や書庫などには、さまざまな分野を網羅した本達や鉱石などの収集品をしっかり管理する棚などもあり、落ち着くために壁の色を緑にしているそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です